腸内環境を整える食品
腸は体の中でも消化器官に属しており、口から入った栄養を体内に吸収するための重要な入り口です。
また、腸は第2の脳とも呼ばれているように、血流さえ確保できれば動くことができる体の中でも独立した臓器です。
「腸活」とは、腸内の状態を良好に保つ活動のことで、腸内の環境が良くなると、腸を始めとする他の体内の環境も改善します。
腸内環境を整えるためには、善玉菌:悪玉菌:日和見菌を2:1:7の理想的なバランスに整える必要があります。
そのためには、善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないようにすることが大切です。
■善玉菌の代表「乳酸菌」
乳酸菌は、生育に必要なエネルギーを得るためにブドウ糖や乳糖を分解して乳酸を作り出す微生物です。
乳酸菌にはいくつかのタイプがあり、タイプごとに特徴や効果が違います。
●ラクトバチルス菌
小腸に棲んでいる菌で、免疫力を高めて、感染症やアレルギーを軽減します。
●ビフィズス菌
大腸に棲んでいる菌で、腸の働きを活性化し、便秘や下痢の改善、美肌効果などがあります。
乳酸菌が含まれている代表的な食品は「ヨーグルト」です。
しかし、乳酸菌の種類は350以上もあり効能も様々なため、どのヨーグルトが自分に合うのかは食べてみないとわかりません。
このため、同じ種類のヨーグルト100g程度を1・2週間程ほど食べて、便通や便の質が改善したり、おなかの調子が良くなったりするものを選びましょう。
また、ヨーグルトだけではなく、ぬか漬けやキムチなどの発酵食品にも含まれますので、これらも、積極的に摂るようにしましょう。
■食物繊維
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類ありますが、それぞれ働きが異なるため、この2つをバランスよく摂ることが重要です。
●水溶性食物繊維
海藻類、果物、オクラやモロヘイヤなどネバネバとした野菜に豊富に含まれております。水分を含みやすいため、便を軟らかくする働きがあります。
●不溶性食物繊維
ごぼう、さつまいもなど繊維質が多い野菜や「きのこ」に豊富に含まれております。
腸の中で水分を含んで便の量を増やし、腸を刺激して蠕動運動を活発にします。
特に、「きのこ」は、腸内細菌を減らさず、腸の蠕動運動も活発にしてくれるため、便秘解消には一石二鳥な食材です。
この他にも、バランスの良い食事、水分のこまめな補給も腸内環境を整える上で大切です。
野菜をたくさん食べているにもかかわらず、なかなか便通が改善されない場合は、不溶性食物繊維に偏っている可能性があります。