ブランド力と商品との関係
「売れているからブランド力がある」と「ブランド力があるから(高価格で)売れる」という形は、ブランドの一つの姿に過ぎません。では、ブランドはどのようにして、消費者の意志決定に対して影響を与えるのでしょうか。
通常、私たちが商品を購入する場合は、ブランドを含めて様々な情報から商品の質を推測すると同時に、デザインやブランドの魅力も考慮に入れて決定します。
すなわち、ブランド力があるから商品を購入するのではなく、商品はブランドを超越しているのです。特に、革新的な商品に対してはブランドは無力となります。
これは、消費者の主たる取得対象が商品であって、ブランドではないからであり、それゆえに、たとえブランド力があっても売れないことだってあるのです。
ところが、エルメスやグッチなどの世界的に有名なブランドのように、ブランドそのものが、主たる取得対象となるようなブランドは、プレミアムブランドとして一般的なブランドとは区別する必要があります。
プレミアムブランドとは、官能ブランドだけから構成されるブランドで、一般的なブランドとは異なるからです。
プレミアムブランドは、ブランド自体が第一義的な購入対象であり、ブランドに対し値づけがなされ、商品はブランドを具現化して消費者に提供するための手段となるのです。
すなわち、プレミアムブランドは「商品としてのブランド」であり、一般的なブランドは、「商品のためのブランド」という違いがあるのです。