更年期前後に注意したい病気
女性ホルモンには、血管をしなやかに保ち、動脈硬化の予防や内臓脂肪の分解をしやすくするなどの働きがあり、これによって、生活習慣病の発症を抑えることができました。
しかし、閉経以降になるとて、女性ホルモンの保護がなくなるため、脂質異常症、動脈硬化、糖尿病、高血圧など「生活習慣病」のリスクが高まっていきます。
特に、動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす危険因子ですから、特に、注意が必要です。
閉経後の女性の血液中は、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が増加する一方で、HDL(善玉)コレステロールは減少します。
こうした変化は、動脈硬化を促進し、心臓や血管に悪影響を与えます。
また、更年期を迎えると、エストロゲンが急減することによって骨代謝のバランスが崩れるため、閉経後は1年に2%ずつ骨量が減り、10年後には20%も減少するといわれております。
その結果、若い時に蓄えた骨の量が減少して骨がもろくなり、「骨粗しょう症」となって骨折リスクが高まります。このため、閉経後にはなるべく早く骨密度測定を受けましょう。
特に、背中が曲がる、若い時よりも2cm以上身長が縮むなどの症状が出てきたら要注意ですので、医療機関を受診するようにしましょう。