蓄電池の寿命

蓄電池の寿命は、蓄電池の種類、使用環境や状況、保守条件といった外部要因に大きく左右されます。

一般的な寿命の表示は、充電→放電を1サイクルとする「サイクル回数」を用いて表しますが、防災やバックアップ用電源のように災害時以外では殆ど放電されない場合は、サイクルではなく使用期間で表すことが一般的です。

■鉛蓄電池

鉛蓄電池のサイクル回数は3,150回、年数にして約17年となっており、蓄電池の中でも長寿命の部類に含まれます。

鉛蓄電池は、充放電サイクルの増加による影響は余り大きくありませんが、過放電した際には、負極の金属に硫酸鉛の硬い結晶（サルフェーション）が発生して著しく劣化が起きるという特徴があります。

このため、使用後速やかに充電する、あるいは、過放電を行わないといった適切な使用を心懸けることが重要となります。

■ニッケル水素電池の寿命

ニッケル水素電池のサイクル回数は2,000回、年数にして約5∼7年となっており、 蓄電池の中では短い部類になります。

鉛蓄電池と比べて、寿命に与える影響因子が多く、特に、周囲温度や充放電状況によっては寿命が大幅に短くなることがあります。

■リチウムイオン電池

リチウムイオン電池のサイクル回数は3,500回、年数にして約6∼10年となっていますが、保存状態や充電方法によっては著しく寿命が低下する恐れがあるため、適切に充放電を行う必要があります。

■NAS電池

NAS電池のサイクル回数は4,500回、年数にして約15年となっており、これは、鉛蓄電池と遜色のない数値です。

また、NAS電池の寿命は、正極活物質による単電池容器の内面腐食に起因する容量の減少と抵抗の増加によって左右されるため、この問題さえクリアすれば、更なる長寿命化が期待出来そうです。