全個体電池のメリット
全固体電池は、従来の電解質が液体のリチウムイオン電池とは異なり、電流を発生させるための電解質を固体に置き換えた電池です。
■劣化しにくく長寿命
リチウムイオン電池は、液体の電解質内をリチウムイオン以外の物質の移動が起こり、本来意図している反応以外の副反応が生じて電流の流れを妨げることによって電池の劣化を引き起こします。
一方、全固体電池は固体の電解質であるため副反応が起こりにくく、液体のリチウムイオン電池に比べて劣化しにくくなります。
■温度変化に強い
リチウムイオン電池は60度以上の高温では劣化し、低温では液体の粘度が高まって電圧が低下するため、高温や低温での運用が制限されます。
一方、全固体電池は温度変化に強いため、安全に急速充電ができるなど用途の幅を広げることができます。
また、固体の電解質は作動温度範囲が広いため、高温や低温状態でも安定した性能を維持できます。
■安全性が高い
リチウムイオン電池の液体電解質には有機溶剤系の危険な物質を使用しております。
このため、液漏れや発火、破裂など致命的な事故につながる恐れがあります。
これに対し、固体の電解質は液漏れや発火の心配がなく、高い安全性を確保できます。
■設計の自由度が高い
リチウムイオン電池は液漏れを防ぐ必要性や耐久性の問題がありますが、全固体電池は電解質が固体のため、多様な構造や形状を実現可能です。
また、安定性の高い材料を使用するため電極材料の選択肢が広がります。
そのため、リチウムイオン電池よりもケースの形状やバッテリー内部での電池構造を自由に設計することができます。
小型化や薄型化だけでなく、重ねたり折り曲げたりすることも可能であり、多様な用途において活用することができます。